熱処理加工
PROCESSING


PROCESSING 01
焼入れ・焼戻し
材質や硬度に応じた焼入れ・焼戻し
材質や指定硬度だけでなくその製品の用途や形状などを考慮して焼入れ・焼戻し加工を行います。
焼入れは鋼を高温に加熱後、急冷して硬くする熱処理で、鋼種によっては空冷や油冷でも十分ですが、焼入れ性が低い鋼種は水冷が必要です。
焼戻しは、焼入れで硬くなった鋼を再加熱し、粘りや強靭性を高める処理で、低温焼戻しでは耐摩耗性や割れへの強さが向上し、高温焼戻しはシャフトや歯車などの強靭性向上に用いられます。

PROCESSING 02
焼ならし・焼なまし
鋼材の加工性向上や組織の均一化
鋼材の機械加工性を高めたり、組織を均一化するために、焼ならしや焼なましといった熱処理を行います。
焼ならしは、鋼をオーステナイト化温度以上に加熱し、空冷することで鋼組織を均一・微細化する処理です。鋳造・鍛造・圧延により生じた内部ひずみを取り除き、切削性や機械的性質の安定化に寄与します。
焼なましは、鋼を高温加熱後に炉内でゆっくり冷却することで、鋼を柔らかくし加工しやすくする熱処理です。組織の均一化にも効果がありますが、不完全な処理では加工ムラや硬さの不均一が生じることがあります。

PROCESSING 03
オーステンパ
(ADI処理)
靭性に優れたベイナイト組織を形成
オーステンパ(ADI処理)は、鋼をオーステナイト化温度まで加熱後、冷却・保持することで、ベイナイト組織を得る熱処理です。焼入れ・焼戻しよりも高い機械的性質が得られます。
この処理により、引張強度・耐力・伸び・絞り・衝撃特性などが向上し、同時に焼割れや歪みの発生も抑えられます。
弊社では、美原工場のピット炉にて月間550tの処理能力を有しており、安定した品質でのADI処理を提供しています。

PROCESSING 04
球状化焼なまし
鋼を軟化させて加工性を高める処理
球状化焼なましは、鋼中の炭化物を球状に変化させ、鋼を最も軟らかい状態にする熱処理です。長時間加熱し、必要に応じて加熱と冷却を繰り返した後、炉内でゆっくりと冷却します。
この処理により、セメンタイト板のような炭化物が安定した球状に変化し、鋼の切削性や加工性が大きく向上します。
弊社では、加西工場・岐阜工場にて月間1,000tの処理能力を有し、安定した品質の球状化焼なましを提供しています。

PROCESSING 05
ショットブラスト
均一な仕上がりと塗装密着性向上を実現
ショットブラストは、細かい砂や鋼製・鋳鉄製の小球(ショット)を金属表面に吹きつけ、スケールやバリを除去する加工法です。熱処理後の表面仕上げとしてよく用いられます。
この処理により、表面の不純物を除去し、均一な仕上がりを実現するとともに、塗装やコーティングの密着性も向上し、下地処理としても効果的です。